【第41号】3. 総合旅行業務取扱管理者試験を振り返る(前編)

 去る2022年10月23日に、今年も総合旅行業務取扱管理者試験が実施されました。このニュースレター読者の中にも、受験したという方は多いのではないかと思います。

 

 全般的な講評などは各学校等から出ていますので、OFCでは、今回と次回の2回に分けて、国際航空に関する部分を振り返ってみたいと思います。

 

 今回は、後半の第10問を見てみます。複雑でわかりにくい第2問「運賃計算」部分は、ポイント解説の形で次号に掲載します。OFCの中でも特に運賃に詳しい社員が説明しますので、どうぞお楽しみに。

 

 

 

 さて、第10問。ここは言わば雑多な海外旅行や航空券手配に関する実務的な要素が詰め込まれた節でして、わかっているようでいて実はよくわからない知識がたくさん。

 このニュースレターで、雑学コラムとしてここ数回取り上げてきたのは、このあたりの点数を確実に稼げるように、という意図でもあります。

 

 時差の問題などをここで説明しても仕方ないですから、航空業界に大きく関わる問48を見てみましょう。

 

問48. 次の航空会社の航空会社コードと所属するアライアンス(航空連合)との組み合わせのうち、正しいものはどれか。

 

航空会社名航空会社コードアライアンス
a.British AirwaysBASkyTeam
b.Swiss International AirlinesSKStar Alliance
c.IberiaIBoneworld
d.LOT Polish AirlinesLOoneworld

 

 まず、とても優しい問題ですね。簡単ということではなく、「正しいものはどれか」という聞き方なので、正解はひとつしかありません。そして、それ以外の3つの選択肢は、間違っているところをひとつ見つければいい。これが「正しいものを全て選べ」となると、格段に難易度が上がります。

 

 取り上げられたのはいずれもヨーロッパの航空会社で、日本への就航便数が決して多くない会社中心。あまり聞き馴染みがないと思われた方もいるかもしれません。

 ルフトハンザドイツ航空やエールフランスなど、誰でも知っている会社は敢えて外した、ということなのかという気もします。

 

 選択肢のa. はイギリスを代表するブリティッシュ・エアウェイズ。ここと仲がいいのがc. のイベリア航空。経営的にも一体と言えるでしょう。

 また、b. のスイスインターナショナルエアラインズは、ルフトハンザドイツ航空の傘下(ほかにオーストリア航空も)。d. のLOTポーランド航空は日本では成田にしか飛んでおらず、就航もこの中では比較的新しく、旅行会社にお勤めの方でも手配経験がない、なんてことも?

 

 先に正解を言っておくと、正しい組み合わせなのはc. です。他の選択肢のどこが間違いなのか、赤字にしました。

 

航空会社名航空会社コードアライアンス
a.British AirwaysBASkyTeam
b.Swiss International AirlinesSKStar Alliance
c.IberiaIBoneworld
d.LOT Polish AirlinesLOoneworld

 

 b. については、ルフトハンザドイツ航空がスターアライアンスの中核航空会社で、スイス、オーストリアと運賃に共通性があるということを知っているくらいの手配担当者の方なら、わりと見抜けるかな、と思ったのですが、難しかったでしょうか。スイスの2レターは「LX」です。「SK」は、同じスターアライアンス所属のスカンジナビア航空のコード。

 スターアライアンスは航空連合の中でも最大手で、ヨーロッパではほかにLOTポーランド航空も加盟、ということでd. はアライアンスの箇所が誤りでした。この選択肢は、なかなか難易度が高い感じがします。

 

 設問上、a. のブリティッシュ・エアウェイズと、c. のイベリア航空は、アライアンスが違うことになっています。こりゃどっちか間違ってるな、と気付ければ、スカイチーム所属と書かれているa. のブリティッシュ・エアウェイズに誤りが含まれていることに辿り着けるでしょう。

 ワンワールドは、ご存知日本航空も所属しているアライアンスで、アメリカではアメリカン航空という最大手のひとつも加盟。間もなくサッカーのワールドカップが開催されることで注目される、中東のカタール航空も、ワンワールドメンバーです。

 

 なお、スカイチームにはデルタ航空(アメリカ)、エールフランス、大韓航空などの有名航空会社が加盟していますが、日本の航空会社が入っていないので、少しイメージが薄いかもしれませんね。

 

 

 配点5点しかない小問ですが、これひとつ見ても、実務に繋がるいろんな要素が詰まっています。今回正解した方もできなかった方も、来年受ける方も、ぜひこの機会にもう一度、航空会社の知識を深めてみてください。

 

この記事を書いた人:

関本(編集長)

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