【第1号】5. タメになる燃油の話 その1「燃油サーチャージとは?」

国際航空券を手配するにあたり、燃油サーチャージという言葉は聞いたことがあっても、詳しくは知らないという方が多いのではないでしょうか。
今回から4回に分けて、燃油サーチャージについて説明をしていきます。
第1回目は、「燃油サーチャージとは?」です。

一般的には「燃油サーチャージ」と呼ばれていますが、正式には「燃油特別付加運賃」と言い、旅客の申請時にはこの「燃油特別付加運賃」が使われています。
ここからはあえて分かりやすく、燃油サーチャージと表記をしていきます。

燃油サーチャージの歴史と目的

燃油サーチャージは一体何のために設定された運賃なのでしょうか?

燃油サーチャージとは、航空機燃油価格の高騰により、費用の一部を飛行機を利用する旅客に負担してもらうために設定された付加運賃です。

ではなぜ、設定するようになったのでしょうか?

さかのぼること1991年ごろ。 燃油価格は、戦争や中東の情勢不安などによる原油価格の高騰の影響で不安定な価格が続き、航空会社では、コストを増大させていく燃油価格をどうするか、大きな問題となり、困っていました。
そこで、航空会社は旅客にコストの一部を負担してもらうことを考えました。そして、IATAに申請、1997年に認可されました。
これにより、貨物で2001年、旅客で2005年から燃油サーチャージの設定をし始めました。

話はそれますが、2001年の日本の重大ニュースは、小泉政権の発足。2005年は郵政民営化がありました。
皆様覚えていらっしゃいますか?

燃油サーチャージを決める指標って?

話を戻して…
燃油サーチャージを設定するには、指標となる燃油価格が必要となります。現在、日本では主にシンガポール市場で取引されるシンガポールケロシンの価格を使用しています。
もちろん、シンガポールケロシン以外のニューヨーク、ガルフ、ロサンゼルス、ロッテルダムなど他の燃油価格を使用することも可能です(ご参考までに)。アジア地域ではシンガポールケロシン、北米地域ではガルフ、ヨーロッパ地域ではロッテルダムの市場価格が主に使われているとのこと。

ではなぜ、日本ではシンガポールケロシンを採用している航空会社が多いのか?

アジア地域では主に使われているというのが理由の1つですが、シンガポールケロシン以外の市場価格が掲載されていたHPに、ある日を境にアクセスができなくなり、数値を確認、収集することが困難になったのも理由の1つと考えられます。
このような経緯もあり現在は、旅客は元より貨物もシンガポールケロシンを指標とする会社が多いのです。

現在オーエフシーでは、毎日、日経新聞の商品欄、アジア市場内の価格を基にシンガポールケロシン平均値を算出して、燃油価格の動向を把握しています。

今回のまとめ

・燃油サーチャージの正式名称は「燃油特別付加運賃」と言う
・燃油サーチャージは原油価格の高騰により一部を旅客に負担してもらうため導入された
・日本ではシンガポール市場のケロシン価格を指標としている
・ウェブサイトはある日突然見られなくなる

ここまでが燃油サーチャージ設定の背景と指標の考え方の説明でした。
第2回目は金額の決まり方について説明をしていきます。

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