【第5号】5. 社員旅行記のコーナー

社員旅行記の第5回は国内旅行編。今回は野生動物好き、タリフセクションの倉野が野生のシャチに会いたい一心で出かけた知床旅の模様をお届けします。

前回までの記事はこちら

3度目の正直の知床ひとり旅

初めての知床は秋に友人と出かけた1泊の旅行でした。世界遺産の大自然と海の幸、温泉を満喫できたのですが、ひとつ心残りが。何気なく予約したホエールウォッチングが、高波で欠航になってしまったのです。知床のホエールウォッチングは、春から夏にかけてシャチが見られることで有名です。動物好きの私は、日本でシャチに出会えるなんて!と、すっかりシャチに会いたいスイッチが入ってしまいました。
そして翌年6月。心を弾ませてリベンジに行ったのですが、またしても高波で船が欠航に。夏になるにつれて遭遇率が下がっていくと聞いていたので、一刻も早く再リベンジをしなくては。そこで、2週間後に初めてのひとり旅に出かけることにしました。

まずは空路、女満別空港へ。空港からバスも出ていますが、知床での移動も考え、レンタカーを借りました。空港を朝9時過ぎに出発し、13時出航のクルーズを目指してドライブです。
ちなみに、秋になると、女満別空港横のひまわり畑がとてもきれいでオススメです。
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空港のすぐ近くには、北海道らしいパノラマスポットもあります。
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知床半島は、知床峠をはさんでウトロと羅臼があり、ホエールウォッチングは羅臼側の根室海峡で行われます。空港からウトロまでは約2時間。ウトロから知床横断道路で知床峠を越えて、羅臼までは3時間くらいかかります。
前回の旅行で、知床横断道路で雲海に包まれる怖い経験をしたため、ひとりの今回は安全第一で別の道を通ることにしました。知床半島の付け根を横断し標津へ抜け、オホーツク海沿いを走るルートです。広い道を何十キロも道なりに進むドライブを続けること3時間ちょっと。
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羅臼に到着! 船は出るのか?

無事に羅臼へ到着です。天気が良ければ遠くに国後島が見えるはずですが、このお天気。欠航の電話が今にくるのではないかとびくびくしながら、出港30分前の12時半に受付を済ませました。船乗り場で待機していると、みるみるうちにザーザー降りの大雨に。
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欠航の二文字が頭をよぎりますが、幸い雨はすぐに小降りになり、乗船することができました。3度目の正直でやっとかなった出港です。果たしてシャチに会うことはできるのか。

いざ羅臼の海へ

しばらく船を走らせると、すぐにイシイルカというイルカに遭遇しました。泳ぐスピードの速いイルカで、泳ぐ時にあがる水しぶきが目印です。
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船には、漁船や観光船から海の動物の情報が送られてくるそうで、今日はクジラのいるスポットを目指すと船長から案内がありました。シャチの情報はないようですが、沖に向かう途中で発見することもあるようなので期待して待ちます。

途中でハシボソミズナギドリという渡鳥の群れに出会いました。遠く南半球から渡ってくるそうで、餌を食べるために、海へ潜ってはポコポコとあがってくる姿が印象的です。
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1時間ほどでクジラのいるスポットへ到着。今回見られたのは、ミンククジラです。潜るとどこに上がってくるかわからないので、ひたすら海を眺めます。
背びれが見えました。
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遠くにいたと思ったら、船の近くに浮上することも。
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こんなに近くでクジラを見られたのは初めてだったので、感動しました。

ミンククジラをたっぷりと観察し2時間半のクルーズは終わりました。一番の目的のシャチには出会えなかったため、翌日のリベンジが決定です。
港へ戻り、道の駅の2階で食事をとりました。プチプチのいくらにクリーミーなエゾバフンウニ。これだけで来た価値がある海鮮丼です。
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翌日に備え、羅臼に宿泊

翌日のクルーズは朝9時からなので、宿泊も羅臼にしました。ウトロには大きな温泉宿がたくさんありますが、羅臼は比較的小さな宿が多いです。
夕飯は鹿肉のシチューや海鮮をいただきました。
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宿にはこんなクマも飾られていて、北の雰囲気をめいっぱい感じることができました。
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4回目の挑戦へ

翌朝。8時半にクルーズの受付を済ませて、出港を待ちます。出港後すぐに船長から「今日はシャチがいるよ!」と。どうやら朝、漁師さんの家からシャチが見えたそうです。家からシャチが見えるなんて、うらやましい。
シャチが日露中間地点よりも国後島側へ行ってしまうと、船は追うことができなくなってしまうため、どうか会えますように…と願いながら、沖を目指しました。昨日よりもずっと天気がよく、知床連山と国後島の景色がきれいに見えました。動物に会えなくてもいいかもと思うくらい、気持ちの良いクルーズです。
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沖にいく途中には、またイシイルカ、ハシボソミズナギドリに出会いました。
40分ほど乗っていたでしょうか、遠くにシャチが見えてきたとアナウンスが!双眼鏡を覗くとたしかに、海の上からとがった背びれがツンツン飛び出ているのが見えます。シャチを見つけるときの目印は、この背びれだそうです。大きいものだと背びれだけで2メートルある個体もいるとか。
どんどん船がシャチに追いついていきます。そしてついに、見えました。
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逃げることなく、近づいて船と一緒に泳いでくれます。こんなに近くで見られるなんて、感動です。やっとやっと夢が叶いました!
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船のまわりを何度もジャンプしてくれます。
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これはスパイホップといって、外の様子を確認する仕草です。二頭仲良く頭を出して、外の様子を伺っています。
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船の下をくぐって右に出たり左に出たり。20頭ほどの群れがたっぷりと楽しませてくれました。シャチは群れによって性格が異なるそうですが、今回の群れはフレンドリーで、船の反応を楽しんで遊んでいるように見えました。野生動物なので、あまりしつこくしすぎないのがマナーということで、40~50分程観察した後、ゆっくり離れていくシャチを見送りました。

帰りには、100頭程のカマイルカの大群にも遭遇。イルカショーでよく見られるイルカですが、羅臼の海ではあまり見ることができないそうで、幸運でした。
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2日間でミンククジラ、ハシボソミズナギドリ、イシイルカ、カマイルカ、そして念願のシャチに出会うことができ、大満足のクルーズとなりました。野生動物を間近で感じることができ、何度も挑戦してよかった!と心から思いました。

毎回違う、羅臼の海

すっかりはまった私は、実はこの翌年も羅臼クルーズへ。その日の海は湖のように凪いでいたためか、今度はまったりとしたシャチの群れに出会うことができました。尾びれを海面にあてて遊んだり、海藻とじゃれたり、ただプカプカ浮かんでいたり。触れそうな距離をのんびりゆったりと泳ぐシャチは、前回とは全く違う動物のようでした。今度はどんな顔を見せてくれるのかな、とまた行くのが楽しみになりました。
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野生動物との出会いは天候と運次第ですが、出会えなかったとしても、大自然やおいしい海鮮だけでも十分満足できるのが知床の良いところです。羅臼の海は、他のホエールウォッチングができる海に比べると穏やかなのもポイントです。ぜひ北の海で大自然を感じてみてください。

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