【第16号】2. 運賃の仕組みの話 その6「小幼児運賃」

 第6弾はセミナーでも分かりにくい項目の1つとしてよく声が挙がる小幼児運賃についてです。
担当は、編集部の浜田です。

小幼児運賃について

 国際航空運賃は原則下記表のように旅行開始日の年齢を基準に大人、小児、幼児に分かれています。
運賃は大人一人当たりの金額が設定されており、小幼児運賃はその大人運賃の割引率で構成されています。


年齢 適用運賃
大人12歳以上大人運賃
小児2歳以上12歳未満 大人運賃の75%
幼児2歳未満(座席未使用の場合) 大人運賃の10%
    (座席使用の場合) 小児運賃と同じ
(大人運賃の75%)


幼児運賃は座席を使用しない場合と座席を使用する場合で割引率が異なり、座席を使用する場合は小児運賃を適用することになるのです。
また、小児は大人に同伴されているか、いないかによっても割引率や運賃額が異なり、幼児は大人の同伴がない場合は旅行ができません。


GDSで表示されるの運賃額は大人運賃ですので、小幼児運賃の割引率は「cat19 Child Discounts」で確認をすることになります。

ここで、実際にいくらになるか例を用いて計算をしていきます。

例1】大人運賃:100,000円、小児は大人運賃の75%、幼児は大人運賃の10%の場合
  小児運賃:(大人運賃)100,000円×(小児の割引率)75%=75,000円
  幼児運賃:(大人運賃)100,000円×(幼児の割引率)10%=10,000円

上記の計算から小児は75,000円、幼児は10,000円ということが分かります。

では、次の例はどうでしょうか。

【例2】大人運賃:100,000円、小児割引不可、幼児は大人運賃の10%の場合
  小児運賃:(大人運賃)100,000円×(小児の割引率)100%=100,000円
  幼児運賃:(大人運賃)100,000円×(幼児の割引率)10%=10,000円

この例は小児割引は不可です。小児は割引がないので大人運賃の100%と考えます。
よって、小児は大人運賃と同額の100,000円、幼児は例1と同じ考え方なので10,000円になります。

ここでちょっとワンポイントアドバイス!!

①小幼児の運賃額は100円単位に端数処理をする。
  ②割引率を乗じた結果10円単位以下の端数は100円単位に切り上げる

最近は航空会社によって小幼児の割引率が異なる場合や、LCCでは固定額で設定している運賃もあります。
さらには、幼児に関しては旅行中に2歳以上に達する場合は小児運賃を適用しなければならない条件もあり、多様化されてきているので必ず確認が必要です。


規則項目の手数料割引について

ここからは、規則項目の手数料にも適用されている小幼児割引について説明をしていきます。
規則項目は主に「途中降機」「予約変更・経路変更」「取り消し・払い戻し」項目ですが、この手数料にも小幼児割引が適用されるのです。

 手数料は運賃額同様大人の料金が設定されており、基本的には小幼児は割引率で算出されます。
しかし、中には運賃額には小幼児の割引があるけれども、手数料には割引がない、いわゆる割引不可という運賃もあります。
 割引可否の確認も必ず必要ですね。

≪参考≫
 GDSでは「CHILD/INFANT DISCOUNTS APPLY」と割引率を適用する明記がある運賃や、NOTE欄に割引可否や条件を説明していたり、航空会社によっては大人、小児、幼児すべての金額を明記している運賃がある

では、具体的に例をあげて説明をしていきます。

【例1】大人の手数料:15,000円、小児割引率:75%、幼児割引率:10%
  小児の手数料:(大人手数料)15,000円×(小児の割引率)75%
                         =11,250円 → 11,300円
  幼児の手数料:(大人手数料)15,000円×(幼児の手数料)10%=1,500円
  ※小児は計算の結果10円単位となったため100円単位に端数処理

例1は小児、幼児それぞれ割引があるので割引率が適用されます。

 【例2】大人の手数料:15,000円、小児割引不可、幼児割引率:10%
  小児の手数料:(大人手数料)15,000円×100%=15,000円
  幼児の手数料:(大人手数料)15,000円×10%=1,500円

例2の場合は、小児は割引不可となり小児の手数料は大人15,000円に100%を乗じることになります。よって大人と同額の15,000円になります。
幼児は例1と同じ考え方です。

小幼児割引は手数料にも適用されるということを覚えておきましょう。

 
 小幼児運賃は考え方を覚えてしまうと難しくはありません。
時間のある今この時に、各航空会社の運賃をGDSで調べてみるのも勉強になりますね。

今回のまとめ

小幼児運賃は大人運賃の割引率で算出する
1円、10円単位の端数は100円単位に処理する
小幼児割引率は規則項目の手数料にも適用される

この記事を書いた人:

浜田(編集部/タリフセクション)

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