【第13号】2. 運賃の仕組みの話 その3「Fare Basis Code」

今回はフェアベイシスコードについて。担当は引き続き、タリフセクションの柏木と冨塚です。

前回の記事はこちら

フェアベイシスコード/Fare Basis Codeとは

航空会社は多種多様な国際航空運賃を日夜設定しています。その膨大な運賃を管理するために、それぞれにコードをつけています。
その運賃を特定するためのコードがフェアベイシスコード(Fare Basis Code)と言われるもので、日本語では運賃種別コードと言われています。
GDSで運賃を検索している方には見慣れたものだと思いますが、航空券のeチケット控え等でアルファベットや数字を組み合わせた2~8桁の文字列を見て、何だろうと思った事がある方もいるかと思います。
業界ではフェアベイシスコード(Fare Basis Code)を略して「エフビーシー」(FBC)と呼ぶこともあります。

コードの規則性

フェアベイシスコードの構成は各航空会社によって異なりますが、標準的な配列にはある程度規則性があります。
フェアベイシスコードに含まれる項目としては「予約クラス」、「シーズナリティ」、「曜日」、「事前購入型」、「有効期間」、「旅客運賃タイプ」、「適用運賃」、「出発/目的国」などがあります。

いくつか例をあげてみると、まず、

【A社 ヨーロッパ行 エコノミークラス制限付運賃(KHWE6MJP)】

K H W E 6M JP
① K・・・予約クラス
② H・・・シーズナリティ(ピークシーズン)
③ W・・・曜日(週末)
④ E・・・EXCURSION(回遊運賃)
⑤ 6M・・・最長旅行期間(6か月)
⑥ JP・・・出発国(日本)

となります。

また事前購入型の運賃では下記のようなフェアベイシスコードがあります。

【B社 ハワイ行 エコノミークラス制限付運賃(ZAJU14)】

Z A JU 14
① Z・・・予約クラス
② A・・・事前購入型運賃(Advance Purchaseの”A”)
③ JU・・・出発/目的国(日本/米国)
④ 14・・・事前購入日数(AP14)

そして、運賃のタイプをフェアベイシスコードの中に含むものもあります。

【C社 東南アジア行 エコノミークラス制限付運賃(QFL1YJP)】

Q FL 1Y JP
① Q・・・予約クラス
② FL・・・運賃タイプ/Fare Family(FLEX)
③ 1Y・・・最長旅行期間(1年)
④ JP・・・出発国(日本)

様々な例外

FBC.jpg
以前はこのような規則性をもったフェアベイシスコードが多かったのですが、昨今航空会社が利用しているシステムにあわせたものや、NDC(New Distribution Capability)の導入に向けた、航空会社独自のものが増えているように感じられます。

またフェアベイシスコードの一桁目が予約クラスと同じことが多いのですが、例外もあります。
例えばデルタ航空のコンフォートプラス運賃の一つに 「BNZ0ZKCT」 というフェアベイシスコードがありますが、予約クラスは “B” ではなく、”W” となります。
このように予約クラスとフェアベイシスコードの1桁目が異なることもありますので注意が必要です。

フェアベイシスコードも日々進化しています。今後どんなフェアベイシスコードがでてくるのか楽しみでもありますね。

今回のまとめ

フェアベイシスコードは航空会社が独自に設定する
フェアベイシスコードには規則性があり、どんな規則なのか推測できる
一桁目のアルファベットが予約クラスと同じ事が多いが、異なることもある
この記事を書いた人・・・
柏木&冨塚(タリフセクション)
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