【第24号】3. 国家試験直前対策講座 ~後編 結合運賃の原則とは?

 前回、総合旅行業務取扱管理者試験前の対策前編として、運賃計算情報と、発券規則の問題を取り上げました。今回は、試験を受ける前に心得ておきたい結合運賃について解説していきます。

例年出題される「全旅程に適用できる安価な運賃算出問題」

 試験で例年嫌というほど出題されているのが、定められた条件下で全旅程の運賃額を再安価にするにはどの運賃を使うか、という問題です。

 ※ 一般社団法人 日本旅行業協会開催 令和元年度問題・資料より抜粋

 この問題を解くとき、「予約の変更が可能なもの」という条件がありますので、各運賃の変更規則はもちろんのこと、結合運賃規則も確認するわけですが、実は同じ本邦の航空会社でも、JLとNHでは、OFCタリフシリーズでの表記が異なります。

JL:発券、必要旅行日数、最長旅行期間、取り消し・払い戻しを除き、フェアコンポーネントごとの規則が適用される

NH:変更規則を除き、結合される厳しい運賃の規則が全旅程に適用される

 JLではフェアコンポーネントごとの規則を適用しない、つまりより厳しい規則を適用する項目について明記していますが、NHでは、変更規則以外はより厳しい運賃規則が全旅程に適用する、裏を返せば、変更規則はフェアコンポーネントごとに適用する、ということのみが書かれています。それでは一体、発券、必要旅行日数、最長旅行期間、取り消し・払い戻しはどうなるのでしょうか。

IATA RESOLUTION100の原則

 各規則の項目についてどのような対応となるのか、まずはIATA RESOLUTION100における、異なる規則の運賃を結合した場合の適用条件の原則を見ていきましょう。

シーズナリティ往路の国際線出発日で決定
フェアコンポーネントごとに適用幼児割引、乗り換え、経路規定、
途中降機(全体で何回を除く)、
適用除外期間、サーチャージ、運賃計算例外
より厳しい規則を適用するもの上記以外
(予約・発券、必要旅行日数、
最長旅行期間、変更、払い戻しなど)

 IATA運賃が普及していた頃、IATAのRESOLUTION100にて上記のように決められていましたが、IATA運賃撤廃に伴い、現在この規則はなくなりました。従って、各航空会社が運賃を登録する際には、どのように適用するかを自由に設定できることになっています。

 しかし、GDSにはデフォルトとして上記の規則が残っており、キャリアが特段の指定をしない場合は、原則として上記が適用されています。

 一方、国家試験で使用されるOFCタリフシリーズの日本語での表記については、各航空会社が上記を加味してそれぞれ独自の表現をしているものと、GDSへの登録内容から判断してOFCで規則内容を作成し、航空会社から承諾を得て掲載しているものがあります。よって、どのように記載するかは、航空会社ごとに異なっています。

 例えば、JLはより厳しい規則を適用するものを挙げ、その他をフェアコンポーネント毎に適用する、と独自の表現を用いています。 OFCタリフシリーズでは、GDS上のFare noteに記載されている適用状況を鑑み、IATA RESOLUTION100の廃止以降も、上記の適用条件を原則としています。

 NHの結合運賃規則に戻りますが、上記原則に基づけば本来変更規則はより厳しい規則を適用するはずが、NHではフェアコンポーネントごとの適用となり、それ以外の発券、必要旅行日数、最長旅行期間、取り消し・払い戻しについてはより厳しい運賃規則を適用する、ということが分かります。

 しかし例年、実際の試験問題では、NHの規則は「発券、必要旅行日数、最長旅行期間、取り消し・払い戻しを除き、フェアコンポーネントごとの規則が適用される」というように、JLと同じ文言に変更され、出題されています。これについては、IATA RESOLUTION100の廃止や、規則表を読む上での前提条件の記載がないことなどから、試験の作成者が規則表の内容を分かりやすく変えて出題したと考えられます。結合運賃規則以外でも、いくつか調整されている個所があります。

 国家試験まであと1か月と少し、試験勉強の追い込みをしている方も多いと思いますが、余裕があれば、出題された問題と、実際にOFCタリフシリーズに記載されている規則の違いを探してみたり、独特な表現をしている航空会社を探してみるのも面白いかもしれませんね。

この記事を書いた人:

長谷川(企画総務セクション)

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