【第24号】2. 運賃の仕組みの話 その14「結合運賃」

 運賃の仕組み14回目は「結合運賃」の続きです。この回は例を用いながら具体的に説明をしていきます。 前回の第23号では、特別運賃同士を結合する際は、より厳しい方を適用する項目とフェアコンンポーネントごとに適用する項目があると説明しました。それを踏まえて、より厳しい方を適用する項目について、説明をしていきます。

より厳しい方を適用する

 基本的に以下の項目が、特別運賃同士を結合する場合、より厳しい方の規則を適用します。

予約・発券
必要旅行日数
最長旅行期間
途中降機
予約変更・経路変更
取り消し・払い戻し

 今回はNHさんの米国行のMクラスとUクラスを結合した時に、どのような考え方になるのかを見ていきます。「OFC WEBタリフ」で検索した結果画面で確認していきます。

 

予約・発券

 予約から確認していきます。Mクラスは「旅行開始前まで」、Uクラスは「旅行開始の7日前まで」とあります。厳しい方を適用することになりますので、Uクラスの 「旅行開始の7日前まで」 が適用されます。

旅行開始の7日前まで

 

 発券は予約をした日にもよりますが、予約が旅行開始の29日より前の場合は、両運賃ともに「予約完了後7日以内」と同じ規則になります。しかし、28日から前の場合「予約完了後72時間以内」は同じ規則になりますが、Uクラスは7日前までの条件がつきます。よって、発券期限もUクラスの条件を適用します。

予約完了後72時間以内。ただし、旅行開始の7日前まで

 

必要旅行日数

 Mクラス、Uクラスともに「2日発・開始。復路の太平洋横断旅行は、往路の太平洋横断旅行出発後2日目以降」と全く同じ規則になりますので、この条件を適用します。

2日発 ・開始。復路の太平洋横断旅行は、往路の太平洋横断旅行出発後2日目以降

 例えばUクラスの規則が 「5日発・開始。復路の太平洋横断旅行は、往路の太平洋横断旅行出発後5日目以降」の場合は、この 「5日発・開始。復路の太平洋横断旅行は、往路の太平洋横断旅行出発後5日目以降」 を適用することになります。

ワンポイント:必要旅行日数は日数が長い方が厳しくなると覚えておきましょう

 

最長旅行期間

 こちらもMクラス、Uクラスともに「12ヵ月発・開始」と同じ規則になります。よって「12ヵ月発・開始」が適用されます。

12ヵ月発・開始

 しかし、例えばUクラスの最長旅行期間が「3ヵ月発・開始」だった場合は、「3月発・開始」が適用されることになります。

 必要旅行日数とは逆ですね。

ワンポイント:最長旅行期間は日数が短い方が厳しくなると覚えておきましょう

 

 

途中降機

 Mクラス、Uクラスともに「北米内で往路・復路各1回無料で可。バンクーバー・トロント・モントリオール・カルガリーで1回無料で可」とあり、同じ規則となりますのでこの条件を適用します。

 この運賃では「往路・復路各1回」とフェアコンポーネントごとの規則になっているため、フェアコンポーネントごとの規則を適用することになります。しかし、「無料でX回可」というように旅行全体で何回可能なのかという規則の場合は、どちらか厳しい方の条件を適用することになります。

 

 ≪例≫

 Mクラス:無料で4回可
 Uクラス:無料で2回可

例は旅行全体で何回という回数制限となるため、どちらか厳しい方の条件を適用することになり、回数が少ないUクラス「無料で2回可」を旅行全体に適用することになります。

 

予約変更・経路変更

 

 各運賃の規則を確認する前に、結合運賃に例外規定がないかの確認が必要です。規則を確認すると次のように書かれています。

  「変更規則を除き、結合されるより厳しい運賃の規則が全旅程に適用される。 ただし、変更手数料については、変更したフェアコンポーネントの中でもっとも高いものを適用する 」

これはどちから厳しい方の条件を適用するという原則とは違い、変更の可否は フェアコンポーネント毎に適用されるということになります。

 Mクラス、Uクラスの規則を確認すると両運賃ともに変更は可能です。

 しかし、変更できる運賃はこのように上位クラスまたは高額な運賃に限られており、Mクラス、Uクラス運賃ともに異なりますので、注意が必要となってきます。さらに、予約期限のある運賃はその期限までに変更をする必要があります。

 また、変更料金については、結合運賃の条件に「ただし、変更手数料については、変更したフェアコンポーネントの中でもっとも高いものを適用する」とあるため、Mクラスを適用する旅程の変更の場合は15,000円、Uクラスを適用する旅程の変更の場合はUクラスの30,000円が適用されます。また、往路、復路ともに変更する場合はより高額な方を適用することになり、Uクラスの30,000円が適用されるということになります。

ワンポイント:原則とは異なる例外条件を確認することが大事です

 

取り消し・払い戻し

 

 出発前の場合は、Mクラス20,000円で可能、Uクラスは30,000円で可能となることから、取り消し・払い戻しはこの場合は払い戻し料は高額な方の30,000円が適用されます。

 30,000円を取り消し手数料として収受し、残額を払い戻すことになります。

出発後の場合は、Mクラスは20,000円、Uクラスは払い戻し不可となりますので、厳しい方の条件はUクラスの払い戻し不可となり、払い戻しはできないということになります。

 

 

 

 異なる運賃を結合する際には、確認しなくてはならない項目が沢山あります。まずは基本の考え方を覚えておくことが大切です。

 さらに、近年では各航空会社ごとに結合運賃の基本とはことなる例外規定を設けている運賃が多いので、確認をするようにしましょう

 

 

 

今回のまとめ

結合運賃にも例外規定を設けている運賃が多くなってきている
予約と発券はそれぞれ厳しい方を確認し、特に発券期限は予約日によって厳しい方の条件を確認する必要がある
途中降機は「旅行全体でX回可」の規則の場合はより厳しい方を適用する

この記事を書いた人:

浜田(編集部/タリフセクション)

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