【第23号】2. 運賃の仕組みの話 その13「結合運賃」

 運賃の仕組み13回目は「結合運賃」についてです。この項目はセミナーでも詳しく知りたい項目の上位に入るくらいで、何となくは分かっているけど詳細には・・・という方が多いと思います。今回はPART1として定義などを、PART2では具体的な例を取り上げて2回にわたって説明をしていきます。

結合運賃とは

定義

 結合運賃には、結合することができる運賃や各条件が定められています。運賃といっても種類がたくさんありますが、次の3つです。

  • アッドオン運賃
  • 別取りされる結合可能な運賃
  • 往路と復路の特別運賃同士の結合

 上記3種類の運賃はそれぞれ異なる運賃ですが、条件も個別に定められています。

 

結合可能な運賃の種類

 ・アッドオン運賃との結合

 結合を認められる運賃と認められない運賃がありますが、認められる場合、運賃表にない地点もアッドオン運賃結合することで特別運賃を作ることができます

  ・別取りされる結合可能な運賃

 「別取りされる結合可能な運賃」は、他の運賃(当該運賃と結合しようとしている運賃)との結合を認めている場合を言います。結合が不可能な運賃もありますので、調べる必要があります

 さらに、出発前と出発後では条件が異なりますので、併せて確認するようにしましょう。

 ・往路と復路の特別運賃同士の結合

 特に記載のない限りは、1/2往復運賃の結合は同一規則、かつ同一目的地/国/地域の運賃同士に限り、認められています。ただし、他の運賃との結合を認めている場合は、別途適用条件を適用しなくてはなりません。

ワンポイント

1/2往復運賃はHRTと略することもありますので、覚えておくと便利です

 

GDSの表記は

 GDSはcat10「COMBINABILITY」に書かれています。航空会社によって異なることもありますが、登録は「 別取りされる結合可能な運賃 」「 アッドオン運賃」「 往路と復路の特別運賃同士の結合 」の順番で書かれています。しかし、「アッドオン運賃 」と 「 往路と復路の特別運賃同士の結合 」 の間に、旅行形態について表記がありますので、下の方まで確認が必要です。

 

往路と復路の特別運賃同士の結合

 ここからは近年多くなってきている特別運賃同士を結合する時の条件です。個別に条件が定められていない場合は、下記のとおりとなります。

 

コンポーネントの両端の運賃

 同じ1つの規則に掲載される運賃の1/2往復運賃同士の結合に限ります

 

中間地点(HIP)の運賃

 特別運賃のHIPチェックの結果、同一の特別運賃がない地点のため、他の特別運賃をHIPとして適用する時は、上記の「フェアコンポーネントの両端の運賃」の条件は適用しません。HIPの運賃は、始点と終点間の特別運賃と同じ運賃規則とみなします。

 

適用条件

①原則

 折り返し地点行の当該運賃の適用条件を旅行全体に適用します

②種類、または条件が異なる運賃を結合する場合

 原則として以下を除き、厳しい条件を旅行全体に適用します。ただし、この旅行全体とは、当該運賃の旅程に限定し、エンドオン結合区間などは含まれません。

 

原則として下記を除いて厳しい条件を旅行全体に適用する

  項 目            備  考
シーズナリティ
小幼児割引フェアコンポーネントごとに個々の運賃規則に従う
乗り換え フェアコンポーネントごとに個々の運賃規則に従う
経路規定 フェアコンポーネントごとに個々の運賃規則に従う
途中降機往路・復路ごとに条件が設定されている場合は、
フェアコンポーネントごとに回数、料金、場所・地点を適用する
適用除外期間
サーチャージ
運賃計算例外規定

 

ワンポイントアドバイス

途中降機の条件が、旅行全体に対して設定している場合は、どちらか厳しい方を適用する

 今回は、基本的な考え方を説明してきましたが、異なる規則の運賃同士を結合する場合の条件を覚えておくことが必要です。次回は具体的な例を取り上げながら、また複雑な考え方の条件も併せて説明していきます。

 

 

今回のまとめ

結合できる運賃は、アッドオン運賃、別取りされる運賃、往路・復路の特別運賃同士
ここ数年増えてきているのが、特別運賃同士の結合
特別運賃同士の結合には、厳しい条件を全旅程に適用する項目がある

この記事を書いた人:

浜田(編集部/タリフセクション)

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