【第26号】5. 山の話~十勝岳編

 こんにちは、販売担当の要田です。前回の利尻富士に続き登山第2弾です。

 今回は北海道の十勝岳連峰を紹介します。十勝岳連邦は北海道のほぼ中央に位置する大雪山国立公園内にある山で、主峰十勝岳は今も噴煙を上げている活火山です。北海道の山はアクセスが良くないところが多いのですが、この十勝岳は、路線バスを乗り継いて行くことができる数少ない山です。

 今回は十勝岳山麓の吹上温泉から美瑛岳、十勝岳、富良野岳を2泊で縦走するコースとなります。訪れた時期は年間でも最もよい季節の7月ですが、前回同様、タフな登山となりました。

 

十勝岳連峰へのアプローチ

 東京から十勝岳へのアプローチは、空路で羽田空港~旭川空港、ラベンダー号バスで旭川空港~上富良野、町営バスで上富良野~吹上温泉と路線バスを乗り継いて行きます。

 上富良野~吹上温泉は町営バスですが、乗車は私一人で貸し切りでした。道中、運転手さんと話をしながら楽しいひと時を過ごしました。

<一日目>登山開始!

 十勝岳登山口は、吹上温泉がポピュラーです。温泉、宿泊施設、キャンプ場があります。

 

 吹上温泉 白銀荘。ここから登山開始です。

 暫く登ると、十勝岳と美瑛岳の分岐点に到着しました。今回のコースは美瑛岳経由となりますが、一日目の夜は、一旦、この少し上の十勝岳避難小屋に泊まります。中腹に避難小屋が小さく見えますが、ここまではまだ少し登らないとならないですね・・・

 十勝岳避難小屋に到着。比較的新しくきれいな小屋でした。北海道には本州のような有人の山小屋は少なく、殆どがこのような無人の小屋となります。

 今回は他に宿泊者が居らず、貸し切りです。無人小屋のため当たり前ですが、食料、水は持参です。 また、装備は、万一(天候によりビバークする場合)の時を考え、テント一式を持参しており、ザックの総重量は20kg超でかなり重く体に堪えます。上にかかっている白いものはヘルメットで、十勝岳の万一の噴火に備えてあります。

 それと・・・一人の小屋宿泊は結構、怖いです・・・熊も出るらしく・・・

 登山の楽しみの一つの食事です。一日目は生パスタのカルボナーラ。大自然の中で食べるご飯はとてもおいしいですね。

<二日目>美瑛岳の眺め

 朝、5時出発です。二日目は、避難小屋から遥か向こうに青く見える美瑛岳を経由して十勝岳に登り、カミホロカメットク避難小屋まで行きます。昨日、少し水を使用してしまったため、途中の川で水を補充しましたが、この水がそのままでは飲めません。理由は後ほど・・・

 途中には雪渓があります。

 美瑛岳の急登の途中。遥か十勝岳を望む。この登山道は藪漕ぎ(草を分けながら進む)の辛いところが続きました。

美瑛岳登頂!山頂は噴火の後の荒々しさがあり迫力満点です。 (ここまで約5時間半です。)

 途中、持参した水が底をついたので、川の水を煮沸して飲み水にしようとしたのですが・・・

北海道の山の水について

 北海道の山は本州とは違い、水に苦労します。理由は、キツネや野ネズミに寄生しているエキノコックスに注意しなければならないからです。キツネなどの糞が川や雪渓に流れ、その水を飲むとエキノコックス症(最悪は死に至るかなり怖い病気です)にかかる可能性があります。対策としては水を浄水器でろ過するか、煮沸をします。今回は、浄水器を忘れてしまったため面倒ですが煮沸をします。

 途中で朝、汲んだ川の水を煮沸したのですが、実は・・・とても酸っぱくて飲めませんでした。おそらく、十勝岳は火山の山のため硫黄が川の水に溶け込んでいるのだと思います。 水は、非常に貴重なものだと再確認しました。

十勝岳は火星に似ている?

 美瑛岳を後にし、十勝岳に向かって進んでいきますが、十勝岳は火山の山でもあるため、まるで火星のようです。(火星に行ったことはありませんが・・・)

 十勝岳はザレ場(細かい石がたくさんある)が続き、なかなか先に進みません。蟻地獄のようで、一歩進んで半歩下がる(ずり落ちる)感じでゆっくりでしか登れません(かなり体力を奪われました)。

 途中、雪渓の冷たい水が流れていました。しかし、残念ながら飲むことはできません。

 あ~、喉が渇いた~。飲みたい~。我慢・・・

ついに・・・!

 主峰、十勝岳登頂!! 既に出発から9時間半です。もうヘロヘロです。

 ようやく、本日の宿泊地カミホロカメットク避難小屋に到着しました。ここまで約12時間近くかかりました。疲れた~。

 ここは一日目と違い、結構賑わっていました。人が多いこともあり、夜は登山談議に花が咲きます。皆それぞれ武勇伝を持っており楽しい話を聞かせてもらいました(勿論、私も武勇伝はいくつかあります)。

 建物は古いですが、小屋の内部はわりと綺麗です。手前が私のスペースですが、荷物が散乱しており、見苦しく申し訳ないです。

<三日目>富良野岳を楽しみながら、いよいよ下山

 登山三日目です。前日に引き続き、朝5時出発です。疲労が溜まっていますが、天気も良さそうで、テンションは上がります!!

 最終日は、奥の富良野岳まで縦走し、十勝岳温泉に下山します。

 途中、チングルマの群生がありました。とてもきれいです。7月は北海道の花の最盛期ですね。

 いくつかのピークを経て、富良野岳山頂に到着です。ここも、多くの人で賑わっていました。

 十勝岳温泉に無事、下山しました。下山後は温泉で三日間の疲れを落としました。今回もタフな登山となりましたが、つらかったことも、温泉に入ればすっかり癒され、次の山行を考えています。次はどこの山を登ろうかな・・・

 帰りは吹上温泉経由で来た道と逆のコースを辿り、帰途につきました。

 今回もおつかれ山でした!!

この記事を書いた人・・・

要田(営業部 商品販売グループ)

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