【第30号】4. 運賃の仕組みの話 その20「運賃の計算」

 

 

 今回は「運賃の計算」についてです。今はGDSが自動計算してくるので、自分で計算機をたたいて運賃を計算することはないですが、考え方を覚えておくと便利です。

 

 

 

 

運賃を計算するにあたって・・・

 運賃を計算するにあたり、確認しなくてはいけない項目が必ずあります。それは以下の2点です。

 ①シーズナリティの有無
 ②ウィークデイ、ウィークエンドの有無

 運賃に上記①、②の設定があると、出発する日、曜日によって運賃額が異なってきますので、注意が必要ですね。

 

 

シーズナリティ

 

 シーズナリティは以前にも話しましたが、原則日本からの最初の国際線出発日を基準に運賃額がきまります。しかし、最近はシーズナリティが往路、復路それぞれに設定されている運賃が多く見受けられてきました。 では、この場合はどのように運賃額を計算するのかは後ほど問題を解きながら説明をします。

  
 

ウィークデイ(X)、ウィークエンド(W)

 

 こちらも以前説明をしていますが、運賃にウィークデイ、ウィークエンドが設定されている場合、出発する曜日によって、運賃額が異なります。この ウィークデイ、ウィークエンド が設定されているほとんどは、往路出発と復路出発それぞれに設定されていて、該当する曜日にあたる運賃額を適用することになります。

 ただし、航空会社によっては ウィークデイ、ウィークエンド は設定せずに、航空会社が決めた曜日にQサーチャージを加算する場合もあります。こちらも必ず確認が必要となってきますね。

 

ワンポイント  ウィークデイはX、ウィークエンドはWで、略してXWと呼ぶことが多いです

 

 

運賃額はいくらになるでしょうか①

 では、ここで問題です。以下の旅程の場合は運賃額はいくらになりますか?

 これはシンプルなので、計算の仕方は簡単ですね。皆さん計算した運賃額はいくらになりましたか?

 答え合わせをしていきましょう。

 往路が8/7(水)東京を出発して香港に行き、復路は8/9(金)に香港から東京に戻ってくる旅程です。そして、旅程の右側に【適用期間・運賃】項目に ウィークデイ、ウィークエンド の条件が書かれています。ということは、この運賃は ウィークデイ、ウィークエンド の設定があるため、往路、復路それぞれ出発する曜日によって、運賃額が異なることになります。

 まず、往路は8/7(水)に出発するので、表に当てはめると水曜日で ウィークデイ 、記号では(X)になります。復路の8/9は金曜日になるので ウィークエンド 、記号は(W)となります。運賃表を確認するとシーズナリティはありません。よって、往路は ウィークデイ 、「X」で205,000円、復路は ウィークエンド なので「W」の219,000円となります。

 この運賃表は往復運賃となるので、往路、復路それぞれの1/2運賃を足し合わせた額が今回の運賃額となります。

 

 

 答えは212,000円でした。計算式は上記のとおりです。このように往路と復路が異なる運賃額の場合、計算式では「÷2」ではなく「×1/2」と表記しますので覚えておきましょう。

 

  

運賃額はいくらになるでしょうか②

 では、次の場合の運賃額はいくらになるか、皆さん計算をしてみてください。

 

 

 

 ①との大きな違いが分かりましたか?比較するとすぐに分かりますが、この運賃表には往路と復路が存在します。

 まず先ほどと同じくウィークデイ、ウィークエンドの設定があるので確認をしていきましょう。往路は8/21(水)出発なので表に当てはめるとウィークデイ(X)となり、復路は8/24(土)出発でウィークエンド(W)となります。

 次にシーズナリティを確認すると、吹き出しの赤枠に「シーズナリティの適用」とあり「往路」と「復路」それぞれの条件が書かれています。運賃表を確認すると、往路と復路に分かれていますね。これが往路と復路でそれぞれシーズナリティが設定されているということになるのです。

 この運賃にはウィークデイ、ウィークエンドの設定があり、さらにはシーズナリティは往路と復路それぞれに設定されているということが分かりました。

 では、実際に計算をしていきましょう。往路は8/21でウィークデイなので往路の運賃表の「X」の欄=274,000円になります。復路は8/24でウィークエンドになるので、復路の運賃表「W」の欄=234,000円となります。この運賃は往復運賃のみとなっているため、先ほど同様に往路、復路の運賃額それぞれを1/2にして、合算します。

 その計算式は次のとおりです。

 

 

 答えは254,000円でした。

 

 

 ①、②で解いてもらった問題はあくまでも運賃額のみですが、運賃の他にも途中降機の手数料や特定加算額(Qサーチャージ)などがある場合があります。その場合は運賃額にさらに加算されてきます。

 

 基本的な計算でしたので皆さんにとっては簡単すぎる問題だったと思いますが、GDSで計算される運賃額がどのような計算式から成り立っているのかを覚えていただけたらと思います。

 シーズナリティやウィークデイ、ウィークエンドがある運賃は、日にちや曜日を変更するだけで安くもなったり、反対に高くなってしまうことがあります。お客様がご希望される旅程だけではなく、運賃額も満足いただけるご提案ができるといいですね。

 

 

  

今回のまとめ

運賃額を計算するはシーズナリティやウィークデイ、ウィークエンドの設定有無を確認する
運賃が往復運賃のみの場合は、往路と復路それぞれの運賃を1/2にして合算する
運賃の計算式では、「×1/2」と表記する

この記事を書いた人:

浜田(編集部/商品販売グループ)

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