【第31号】4. 運賃の仕組みの話 その21「経路規定」

 

 

 今回は「経路規定」についてです。この項目はGDSでは10ページほどと情報量が多い会社もあり、どのように読み解いたらよいのか、分からないことがあるかと思います。その辺りを読み解いていきます。

 

 

前回までの記事はこちら

 

 

経路規定とは

 

 経路規定の項目には主に、利用航空会社の制限やコードシェア便の利用可否について記載されています。どの航空会社が利用できるのか、どこの会社とのコードシェア便が利用できるのかなどの条件です。

 GDSではcat.04「Flight Application」の項目ですが、最近はアライアンスの拡大の影響がこの経路規定に表されています。 GDSではこの項目だけで10ページほどにもなる場合もあるのです。コードシェア便も増加しており、利用可否も細かくこの経路規定の欄に記載されているので情報量が多くなるのも分かりますね。

 

 

経路規定の読み方

 

 皆さんが手配される運賃は日本発着が多いと思います。まずは、日本発着の便に制限があるのか、コードシェア便が使えるのかを確認する必要があります。 

 

 下記の例を用いて説明をしていきます。これは日本航空(JL)さんのメキシコ・カリブ・中南米行のある運賃の経路規定です。このようにたくさん規定があるのが、最近の傾向です。

 

 

 では、①から見ていきましょう。

 ①には日本国内区間で使える航空会社が書かれています。ここでは、日本航空または日本トランスオーシャン航空となっています。GDSの登録は以下のとおりです。

 

 次の②では日本発着国際線区間で使える航空会社です。ここでは日本航空に限るとありますので、文字のとおり日本航空しか使えません。GDSは次のように登録されています。

 

 そして、③には米国内、または米国ーカナダ間で使える航空会社の制限が書かれています。日本航空、またはアメリカ航空の利用のみとなります。さらにアメリカ航空(※)とありますので、確認すると※) アメリカン航空(AA)便の9K/IB / EY / CX / BA / AY / RJ / MU / LP / QF / 2A / LA / HA / BR運航便は利用不可とあり、アメリカ航空利用でも※)以降の航空会社運航のコードシェア便は利用できないということです。GDSではこのように登録されています。

 

 次は米国/カナダとメキシコ / カリブ / 中南米間で利用できる航空会社です。「④米国/カナダ=メキシコ/カリブ/中南米間は日本航空(JL)、アメリカン航空(AA※)、ラタム航空(LA)に限る」とありますので、利用できるのは日本航空、アメリカン航空、ラタム航空のみとなります。ここでもアメリカン航空はコードシェアができる航空会社に制限がありますので、要注意です。GDS登録は以下のとおりです。

 

 ⑤は「メキシコ国内、カリブ内、中南米内、メキシコ=カリブ/中南米間、カリブ=中南米間は日本航空(JL)、アメリカン航空(AA※)、ゴル航空(G3)、ラタム航空(LA)、ラタム航空ペルー(LP)、ラタム航空エクアドル(XL)に限る」と、メキシコ国内、カリブ内、中南米内などで利用可能な航空会社が明記されています。GDSはこのような登録です。

 

 そして、⑥にはアエロメヒコ航空の利用も可とありますが、上の⑤以外にもメキシコ国内および米国ーメキシコ間はアエロメヒコ航空の利用もできることになります。GDSの登録は以下の赤字箇所が該当します。

 

ここでワンポイントアドバイス

 日本発着国際線区間は日本航空に限る ⇒ どの航空会社運航のコードシェア便であってもJLという便名がついてあれば利用可能

GDSの登録は以下の赤字箇所、「ANY JL FLIGHT」が該当になります。

 

さらにワンポイントアドバイス②

  日本発着国際線区間は日本航空に限る 。ただし、他社運航のコードシェア便は不可 ⇒ JL運航便のJL便のみの利用のみ可能

GDS登録(サンプル)は以下の赤字箇所、「OPERATED BY JL」が該当します。また、日本語では上記の他に「日本発着国際線区間は日本航空運航便に限る」と表記することもあります。

 

 さらに、ページをMD(Move Down)していくと、今度は下記のように利用できない航空会社が列記されています。これは一部抜粋しているので少ないですが、これが何ページにも続いていくので読むだけでも疲れてしまいますね。

  

 以上が利用可能な航空会社の規定になりますが、GDSの表記も航空会社によって様々です。最初から最後のページまで確認をして、どの航空会社が利用できるのか、そして便利なのか、お客様のご希望に沿える旅程を探してみてください。

 

 次回は残りの⑦と付随する言葉について説明をしていきます。

 

 

     

今回のまとめ

アライアンス拡大でコードシェアが多くなり、GDSでは情報量の多い項目の1つ
どの航空会社の運航便が利用可能か、コードシェア便も利用できるのかを調べる
運航便(「ANY JL FLIGHT OPERATED BY JL」)はJL運航のJL便、コードシェア便(「ANY JL FLIGHT」)は他社運航のJL便の利用も可能の意味

この記事を書いた人:

浜田(編集部/商品販売グループ)

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